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4月、畑の雪が解け、春風に晒されて乾いた頃、ようやく春耕が始まります。
@堆肥撒き:昨年の秋から冬にかけて鶏舎から出し、フレコンという1tも入る大き な袋にストックしておいたケイフン肥料を、トラクターの後ろに付けたマニュア・スプレッダーという堆肥撒きの機械に積み、作付けする畑の全面に撒きます。
A耕起:ロータリーという機械をトラクターの後ろに付け、ケイフン肥料を鋤き込みながら畑を起こします。
ここまでは機械作業なので、比較的楽ですが、北海道の春は遅く、時間との勝負です。
B播種:小豆・大豆・金時豆は起こした畑に、すぐに「種まきごんべい」という手押しの播種機で播種します。耕起したままにしておくと雑草の種が先に芽生え、後から播いた豆の芽を隠してしまいます。まわりの農家ではトラクターの後ろに付けた専用の播種機で、化成肥料と共に一気に撒いてしまいます。
トラ豆・大福豆・花豆は畝間と株間を等間隔にしなくてはならないので、もっと大変です。ラインナーというトンボの形をした道具で、畑に縦横の線を引きながら、その交差点に3粒づつ豆を手蒔きしていきます。
一粒は空を飛ぶ鳥のために
一粒は地の中の虫のために
残りの一粒を人間のために播く、心意気です。
C中耕管理:双葉が芽生え、本葉が開く頃、畝間をカルチベーターという管理機で軽く耕起し、同時に芽生えた雑草を鋤き込むと共に土の中に新鮮な空気を送り、根の成長を促します。
D竹差し:トラ豆・大福豆・花豆はツルを伸ばして栽培する豆なので、中耕後すぐに手芝竹を立てます。方形の4本の苗ごとに長い竹を立て、頭頂をひもで縛って四角柱を延々と作っていきます。すべて手作業で、数千本の竹を大風でも倒れないように、畑に一本ずつ刺し結んでいく仕事が、豆作りの一番大変な作業です。さらにこの時期、当地は雨がよく降り、竹差しの作業が滞っているうちに、苗から「ジャックと豆の木」のようなツルが伸び始め、竹に絡みつくことができずに周囲のツル同士が巻き付き絡み合い、収拾不能な事態に陥ってしまいます。ここでも時間との戦いです。
E除草:ツルなしの豆は収穫までの間、何度か管理機で中耕・除草をおこない、トラ豆や花豆は機械が入れないので、ひたすら手作業で除草をおこないます。最初はホーという道具で歩きながら、最後は地に這いつくばって。除草剤を使わない有機農業は雑草との折り合いが要です。
F収穫・乾燥:いよいよ収穫の秋、トラ豆や花豆は成熟した豆の鞘が茶色に乾燥した頃、「根上げ」といって、茎の根本を鎌で切り竹づたいに持ち上げていきます。これも旺盛に茂った豆の森のなかに潜り込んでの手作業です。
小豆・大豆・金時は葉が枯れた頃、一株一株鎌で刈り取り、一抱えずつ円柱状に立て掛る「島立て」をおこない乾燥させます。
次に、「根上げ」後、葉が枯れ落ちたツル豆の「竹寄せ」をおこないます。ひとつの竹株の回りに、4本ずつ結ばれた竹を引き抜き立てかけ、大きな円錐にしていきます。今年、花豆の生育が遅れ、秋が深まっても鞘が緑のままで葉も枯れませんでした。それでも霜が来たら「竹寄せ」をおこない、雪が舞い始める頃、乾燥したサヤだけを選んでもぎ取り、屋内で乾燥させました(収量は三分の一以下)。
G脱穀:晩秋の冷たい風に晒され、乾燥した鞘の中の豆がカラカラと音を立てるようになったら、いよいよ脱穀です。秋晴れの日を選んで、後部に脱穀機を取り付けたトラクターで畑に入り、「島立て」、「竹寄せ」しておいた豆を順次脱穀していきます。
その時、「竹寄せ」されたツル豆は、横に敷いたビニールシートの上に竹ごと押し倒し、数人掛かりで乾いた茎から竹をすべて引き抜きます。ここでの能率が脱穀の時間を左右するので、競争のような力仕事です。脱穀機の回転数も豆ごとに調整しないと子実が割れてしまうので注意が必要です。
H調整:脱穀した豆は、手回しの「とうみ」という道具で茎やクズと分け、それぞれ明るく風通しのよい屋内に広げ、時々攪拌してしっかりと乾燥させます。
I選別:乾燥した豆の選別は、私たちの農場の、雪に閉ざされた冬の一大作業です。日々の養鶏作業の合間に皆でおこないます。すべての豆を一粒ずつ分けていきます。
後半の天候が不順だと、はねる豆が極端に増え、大変です。近年、良い天気が最後まで続き豊作を迎えることが少なくなりました。ただし、私たちの農場では、はねた豆は他の野菜と同様に、鶏のエサとして循環させるので無駄はありませんが。
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